昨今、婚約指輪・結婚指輪で人気を博している「パラジウム」という素材をご存知でしょうか。パラジウムは一見するとプラチナと間違われやすい素材で、美しい銀白色の輝きをしているのが特徴です。
そこで今回は、パラジウムの特徴やプラチナとの違い、指輪に選ぶメリット・デメリットをご紹介します。指輪選びの素材に迷っている方は、パラジウムの特徴を押さえて視野に入れてみてください。
パラジウムは、白金族元素と呼ばれる貴金属のひとつです。身近なものでいうと、電気・電子工業用部品や銀歯などに使用されています。また、婚約指輪・結婚指輪では強度を出すためにプラチナやホワイトゴールドの割金として使用されているのが一般的です。
たとえば、「Pt950」と指輪に記載されている場合は95%がプラチナ、残り5%がパラジウムになります。ホワイトゴールドの場合は、金が75%でパラジウムが25%です。指輪によって貴金属の配合割合は異なりますが、このようにパラジウムは割金で使用されていることがほとんどです。しかし、昨今はパラジウムがメインの指輪が増えてきており、注目を集める素材になってきています。
では、パラジウムにはどのような特徴があるのでしょうか。
パラジウムは、ほかの素材に比べると軽いのが特徴です。たとえば、パラジウムの比重は12.0であるのに対し、プラチナは21.4です。プラチナの半分近くの重さなので、指輪を着けているのを忘れるような軽い着け心地が実現します。仮に、ボリュームのある指輪であってもパラジウムなら着け心地が軽やかなので、指に重さを感じることがほとんどありません。そのため、「指輪の重さが気になる」という方であっても安心して身に着けることができます。
前述したように、パラジウムは強度を出すために割金として使われていることがほとんどです。硬さを表す尺度のひとつに「ビッカース硬度」と呼ばれるものがありますが、プラチナ(Pt950)の硬度が60なのに対して、パラジウム(Pd950)は硬度130です。つまり、パラジウムは硬度が高いということ。ほかの素材に比べて硬度が高い分傷がつきにくいので、安心して指輪を日常使いすることができます。
パラジウムは耐蝕性(たいしょくせい)が高く、汗やほかの成分によって変色しづらいという特徴を持った素材です。そのため、指輪を日常使いしても簡単に変色してしまう心配がありません。きれいな状態を維持できるので、長年身に着ける婚約指輪・結婚指輪に向いている素材といえます。